2009_12_31_[THU]
ネットと電波媒体がクロスしてくる今日。
【現代芸能】を奇才芸人【鳥居みゆき】さん現象から見える『売れアルゴリズム』と『提供サイド側の思惑』を適当に考察するシリーズ 【現象としての鳥居みゆき】
今回は、年末ということでネット情報を主として【鳥居みゆき】さんの動きを数時間かけて一気に追うことができたので2009年に立てた【鳥居みゆき】関連エントリー等で行った予想を検証し、そのあとに2010年を考察していく。

【現代芸能】を奇才芸人【鳥居みゆき】さん現象から見える『売れアルゴリズム』と『提供サイド側の思惑』を適当に考察するシリーズ 【現象としての鳥居みゆき】
今回は、年末ということでネット情報を主として【鳥居みゆき】さんの動きを数時間かけて一気に追うことができたので2009年に立てた【鳥居みゆき】関連エントリー等で行った予想を検証し、そのあとに2010年を考察していく。
---見出し---
- ◆当たり。回帰古典系のパロ芸でネタを作ってくる。
- ◆当たり。書籍を売ってくる。
- ◆ハズレ。ワンスポットのプチ単独講演を複数行う。
- ◆2010年の注目。演技をどう売ってくるか?
- ◆2010年の注目。冠番組をどう取ってくるか?
-----------------------
◆当たり。回帰古典系のパロ芸でネタを作ってくる。
2009年の1月に【鳥居みゆき】さんの今後のネタパターンを読む。という考察エントリーな
『(A-04-05)--ズバリ戦術的予想。【鳥居みゆき】はヒムロックの夢をみるか?2009_01_16_[FRI]』で書いたように

(02)【文学回帰】--- ≪パラレル設定が文学とコンボ≫で、『マッチ売り』
(04)【演芸回帰】--- ≪古典演芸へのシンクロ≫という形式で昭和の『漫談家』をパロって現代風にアレンジした ネタを放り込んできました。
【鳥居みゆき】さんのネタチョイスのアルゴリズムを考察していくと 次の2010年は【ロボット】等の「未来系」や「流行りもの」のネタを挟んで再び過去へ回帰していくというパターンが推察できる。
---------------
◆当たり。書籍を売ってくる。

何度もエントリーで書いたが予想した通り装幀に凝った『アーティスト志向の強い書籍』を売ってきた。
重版で2万出たとして実売4から5掛として8000部近くは捌けているわけで驚くほど大きくはないけども彼女の絶対的な強みとして 相変わらず一定層の『固いコア』が存在している事を証明する結果となった。 売れ方も一気に重版が来てパタッとその後に止まっている動きもみてもそういう事なのだろう。
書籍に関して自分のような活字大好きタイプは、コノ手の売り方をする書籍はあまり購買しない。
何故なら内容で読ますのでなく≪もちろん書籍であり文章がメインだが≫仕掛けなどの外的要因が前に出るいわゆるタレント本売りは、 中身はどうであれハズレが多いので敬遠してしまうのだ。
本好きな人ならわかるだろう。
つまり、こういう装幀にエッジが際立っているような書籍は、そのタレントのファン層以外には受け入れられにくいのだ。 なので売上が一気に来てピタっと止まる。
個人的には短編の内容が面白かっただけにコノ装幀に凝った『アーティスト志向の強い書籍』 売り方が【戦略的正解】だったかは疑問が残った。 書籍で別のファン層を開拓するならこういう戦略はやはり得策とは言えないのだと思う。
対照的な例が

同じ幻冬舎でベストセラーになった【劇団ひとり】さんの『陰日向に咲く』で、当然、自分も読んだ。
書籍の具体的内容に関しての書評は避けるけども、 一番感じたことは【編集マンの勝利】と言うこと。
芸人、【劇団ひとり】さんのファンでない ライトな本好きにも「購買して読んでもらえそうな仕掛け」を優先して作った【編集マンの勝利】だと当時思った。 でないと、あそこまで部数は伸びない。
おそらく、2010年以降も読売の夕刊関係やその他雑誌等で執筆したモノと書下ろしの短編を繋げてマトメた書籍が出るだろうと推測できるが 【見せる本から読ませる本】に変えていかないとコレ以上の部数は伸びないだろうから、
次の書籍が出るにあたり、 ソコを熟知した【編集マン】がアーティスト志向の強い彼女にどう提案し【鳥居みゆき】らしさを失わずに折衷してくるのか?
予想としては一冊目の尖った装幀とは違うカタチで提供してくるはずで、ここを注目したい。
---------------
◆ハズレ。ワンスポットのプチ単独講演を複数行う。

かなり自信があったので何度かエントリーした、ワンスポットのプチ単独講演を複数行うのだろうという予想。
2009_01_18_[SUN]の『4つのキーワード。【鳥居みゆき】はヒムロックの夢をみるか?』等でも予測した
(03)【演劇コントライブの定期化】--- 【鳥居みゆき】ファン恒例の行事として毎年決められた時期に数箇所で打ってコアなファン層を固める
▼【予想03】--->具体的にはコアなファン層を一番固める方法は絶対的に一体感の出る【単独ライブ】や【単独のイベント】であるの事を【アイドルやアーティスト育成】の経験則で【サンミュ】経営側が知っている。
従ってコアなファン層が冷めないうちに比較的小さな小屋≪キャパ200とか≫でピンスポットのみの【演劇コント】8本とかコアなファン層向けを【単独イベント】とかいう名目で打ってくるハズ。
▼【予想03】--->具体的にはコアなファン層を一番固める方法は絶対的に一体感の出る【単独ライブ】や【単独のイベント】であるの事を【アイドルやアーティスト育成】の経験則で【サンミュ】経営側が知っている。
従ってコアなファン層が冷めないうちに比較的小さな小屋≪キャパ200とか≫でピンスポットのみの【演劇コント】8本とかコアなファン層向けを【単独イベント】とかいう名目で打ってくるハズ。
それも【鳥居みゆき】的アルゴリズムパターンとして、全体のコンセプトを【見世物小屋】風イメージで行うんじゃないかと予測し

結論的には 予測をハズした。
第二弾のDVDや書籍販売でネタを入れた『インストアイベント』は行ったようだが、自分が予想した複数の大都市圏でキャパ200程度のスポットライト一本で演劇コントを8本ほどする『ミニ単独』という形式の営業は行われなかった。
複数の芸人と行う営業形式のみであった。
なぜ、この『ミニ単独』を予想したのかはエントリーにもあるがアイドルやアーティストの成功経験があるサンミュは
(01)コアなファンの重要性を認識しているという5つほどの理由から必ず【固いコア】層を固める戦略として打ってくると考察したから。
(02)各種物販につながる
(03)ミニコンサート等で少人数イベントのノウハウがある。
(04)大規模な単独だと費用が掛かるので費用対効果。
(05)リリースコメントでニュースソースを提供できる旨み
【TV演芸】とは別の世界でアーティスト志向の強い演芸人である『イッセー尾形』さんや『ラーメンズ』さん のような【固いコア】層を固める戦術を サンミュは、なんらか打ち続けないと【固いコア】も瓦解するわけで2010年はどういう戦術を用意するのか?
2009年はサンミュ自体がイロイロありバタついていたが2010年のサポート側は、コント師【鳥居みゆき】をどう演出していくのか?
2010年は、なんらかの意図をもって【鳥居みゆき】単独イベントを提供してくるはずで、ここを注目したい。
---------------
◆2010年の注目。演技をどう売ってくるか?

2009年も幾つかの仕掛けと共にマネジメント側は「TVドラマの女優」と「本編での女優」を勝ち取るべく 打った【みみずひめ】を筆頭に【演技】売りへの『種まき』を行ってこられていましたが、
これは【鳥居みゆき】さんだからというわけではなく何度もエントリーを上げていますが 【カンニング竹山】さん等に対しても同じでマネジメント側の動きを調査しトレースしていくと
サンミュという芸能事務所は、「コレだと思う投資対象にはマダ芽を出してなくとも一気に銭をかける時はカケる」という他の芸人専門事務所にはないアイドルやアーティスト育成パターンの戦術を打つDNAを持っているから【鳥居みゆき】が誕生できたのだと、
イズムを再認識させられるともに 【ギャンブラー魂】を見ているようで物凄く面白いです。
2009年はマネジメント側の投資に対して志向する「TVドラマ等での女優」と「本編での女優」という刈取りは 「ぜんぶUSO」などで一部のリターンのみだったが
2010年も、おそらくマネジメント側は【鳥居みゆき】さんの「アーティスト志向」を演出しながらTV媒体での目標である 【演技】売りの傾向を強めていくハズであると予測できる。
長いタームでみると【鳥居みゆき】さんの流れを予想する場合に、アーティスト系の先人である【戸川純】さんの辿ったパターンが非常に予測する上で参考になる

【戸川純】さんも圧倒的に【固いコア】に囲まれて30代まで進む。年々薄いファン層は離れていくが【固いコア】層だけは残るのだ。 現在は全く【TV演芸】の世界に出ないが年に数回のライブは多くの【固いコア】層で埋まる。
しかし、同時に言えることは『時間が経てばコア以外は消耗し剥がれる』のだ。 もちろん【戸川純】さんも現在がそれを証明している。
当時、【戸川純】さんはアーティストとして活動しながら【TV演芸】の「タレント」から自分のポジショニングを彼女が昔から志向していた【演技】をする「女優」というカタチに移していった。
今考えると、生き残るには利口な方法だったのだと思う。
なぜなら【TV演芸】の「タレント」よりも【演技】をする「女優」の方が消耗速度を遅くできるので電波媒体に長く残ることができてトータルでは多くのインカムも可能となる。
なにせ、TVを含む電波媒体での「芸人」や「タレント」という商品消耗度は凄まじい。
そして知識人でなく【現代芸人】としてこの電波媒体で長く残れる条件は3つである。 それは、
(01)芸人回しができる話術。
(02)単独のフリートークだけで場を持たせられる話術。
(03)番組司会者が同じ事務所か同じグループ。
-
(01)(02)の両方に関しては【明石家さんま】さんや【島田紳助】師匠、【ダウンタウン】さんなど本当に特殊な例で、
-
(01)が強いのは【ウッチャン】さんや【くりーむ】さんなどで、バータが可能になり
-
(02)が強いのは【鶴瓶】師匠などで
-
(03)は吉本や人力、ナベ、【ウンナン】さんのマセキなど本当に大手の一部しかない。
つまり、そういうリアルな現状において
【TV演芸】で「まさこ」を演じブラウン管から消えないように留まりながら、 一方で次の展開として【鳥居みゆき】が持つ存在感でアーティスト志向や【演技】売りで押して行く マネジメント側の描く『二正面作戦』はとても理にかなっていて
今のところサンミュのマネジメント側は、 この戦術をもって凄まじい【TV演芸】における生存競争を生き残ろうというわけで、 今後どうなるのかワクワクで考察は面白いです。
---------------
◆2010年の注目。冠番組をどう取ってくるか?

【鳥居みゆき】さんの冠番組であった【ハイタッチ】がGYAOの終焉と共に終了しYAHOOのアーカイブで視聴できるノミとなった。
(03)◆『TV演芸』における【売れサイクル】で書いたように、【TV演芸】という世界を考察していると、【現代芸人】は自らの冠番組を持つまで長い「お試し期間。-->」がループし毎回毎回が勝負で失敗すれば消えていく凄ましい競争世界に身をおく。
本当に【TV演芸】つまり電波媒体で活躍されている人は、「さんま」さん「ナイナイ」さんをはじめラジオ等の「川下媒体」を非常に重要視する。
ラジオギャラは彼らにとっては【TV演芸】のテレギャラとは比べ物にならない安いにもかかわらず続けられる事が多い。
理由は簡単で【コアなファン層の基地局】となるからだ。 そして、その重要性を充分に認識しているから。
特に 【鳥居みゆき】さんのような【コアなファン層】に支えられているタイプは万人受けするタイプの芸人さん以上に、こういう 【コアなファン層の基地局】となる番組は是が非でも確保したいはずでマネジメント側もその認識は充分あるだろうから、コノ分野の 確保にも力を入れてくるハズだ。
ただ、計画や戦術を立てるのは簡単だが限られたパイの中で【鳥居みゆき】さんのようなタイプをラジオなど【一応公共性を持つ電波媒体】に単独で冠をブッキングするのは今後ますます厳しくなることが予想できる。
これも理由は簡単で「電波媒体は広告収入が激減する現状で下手なリスクを取りたがらない」からだ。
つまり、マネジメント側は二次的である 「ある程度の視聴が見込まれる媒体」での同一効果を狙った確保を行ってくるはずでそれは、【ハイタッチ】のような自前で運営を行っているネット媒体という事になる。
と、なると選択肢はある程度限られていて
(01)YAHOO動画-->単独コンテンツは吉本以外ないから見込みは低い実はいろんな資料を読んでいると電波媒体がネット媒体とミックスしてくる過程で、 【地デジ】を睨んで別の媒体やシステムがメインになる可能性もあり。
(02)ニコニコ動画-->
(03)TFM+-->
(04)あっ!とおどろく放送局-->
(05)BeeTV-->ドコモの携帯電話網を使ったネットとも違う第三の媒体
ネットと違うBeeTVのように【携帯電話網】の他にも【サイマル】でネット媒体とクロスさせる方式や ローカルエリアでのワンセグ自主放送とネットクロスなど。
実はコレ以外にも【空き電波】の枠を使う実験段階のモノも含めて完全デジタル化を睨みながらいろんな事が行われていて次の主役媒体はまだ混沌としていたりするが。

専門の書籍などを読むと、 業界ではどうやら現在の家庭での視聴メインである電波媒体受像機≪いわゆるTV≫が、 アンドロイド等の登場から一部【タブレット化】された大型のネット受像機に取ってかわられるか、少なくとも 多くのシェアを取られる事を織り込んでいて既に大手は走り始めていたりする。
この話題は詳しく書くと長くなるのでまた別のエントリー等で考察するとして本題に戻し。
どちらにしても【鳥居みゆき】さんに関してはスポンサードの少しゆるい媒体で メインの番組を確保するのではないか?という事を2010年の予想として終了する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━