2009_08_25_[TUE]


奇才芸人の定点観測という事で、
ネットで【ウメ】さん観測。
今回は【ウメ】さんが、ブログの中でオイチャンも好きな【北野たけし】師匠の『浅草キッド』のワンフレーズを口ずさんでいました。
懐かしいなぁ。
今回は【ウメ】さんが、ブログの中でオイチャンも好きな【北野たけし】師匠の『浅草キッド』のワンフレーズを口ずさんでいました。
懐かしいなぁ。
---見出し---
- ◆「お笑い芸人」というジャンルは恵まれている。
- ◆絵描きの最後。
- ◆ツブシ。
- ◆恵まれている2人なのに。
- ◆二人の違いその(01)【スタッフ力】
- ◆二人の【スタッフ力】検証
- ◆二人の違いその(02)【覚悟力】
- ◆浅草キッド
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働いて、生活はして行くんだろうけど…
今、以上に、生きている実感は、得られるんだろうか…そう考えたら怖い。
完全燃焼したら、その灰の中から、違う何かが生まれてくる、そんな気がする。 今は、まだ炭の状態。 燃えてないように見えて中は真っ赤だ。 炭が灰になったらその中から…。
もしかしたら、いくら探しても灰しか無いかもしれない。
でも、今は、そう信じたい。 完全燃焼するまでは…。
「夢を捨てたと言わないで他にあてなき2人なのに」
≪ ウメ日和 : ウメ : 2009年08月24日 00時04分21秒≫

実は、アーティストの中でも現代の「お笑い芸人」というジャンルは恵まれている。 ただ「ツブシ」がキカナイダケダ。
現代の「お笑い芸人」が生きる世界よりも、他の分野は実はもっともっと悲惨だ。
まず、現代の「お笑い芸人」は【イニシャルコスト】が画家や建築家に比べて圧倒的に低い。
【絵描き】は美大に行く前に、受験対策でデッサンの学校に通うところから始まり金を ジャブジャブ投下するのに 大抵は【絵描き】で食っていけない。というコントみたいな世界だ。
【設計屋】は、建築科に入って授業に使うAutoCADやVectorWorksのアホみたいな値段のソフトを買わされて ≪学生用の使用期限付きも高い≫ディプロマに辿り付くまでアホみたいに発泡スチロールを買い切りまくる。
そして、「建築科」から他称「建築家」となれるのはよほどのコネか学歴がなければ無理で、資格を取っても殆どは 自称「建築家」という街の設計士か若くて運がよければ「ハウスメーカー」の社内「建築士」で規格品をひきつづける。 リアルは厳しいのだ。
また、継続にも多くの資本が必要な前述のジャンルに比べ「お笑い芸人」の場合は、 大抵カラダヒトツあれば成立するわけだから 【ランニグコスト】さえも殆ど掛からない。
それに、ネット媒体が発達してきた昨今にいたっては【興行】≪ライブ≫の広告も安価に行え、 二足の草鞋も履きやすく、 R-1にM-1など一発逆転の賞レースも確立している。
【北野たけし】師匠の『浅草キッド』の時代とは違い、
昨今、なんだか手が届きそうで止めるキッカケを失う罪作りなキッカケだけは溢れかえっている。
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◆絵描きの最後。

一方、【絵描き】はマジこの時代も悲惨だ。 殆どそれがどれほど悲惨か語られることもないぐらい悲惨だ。
キッカケの場も少なく、かといって画壇への道はヨリ険しい。
両親、親戚、愛人、名前は何でもいいがとにかくパトロンを用意できない【絵描き】は画布さえ用意できないから バイトをする。
そして絵の具1色か昼飯1食を等価交換しながら生きている。
日の当たらぬ日常に不安やアラユル空腹感タチと共存しながら。
アノ筆洗油の酸化した 匂いがクロスやカーテンに染み付き充満した室内。 オイチャンが知ってる芸術家にもまだなれない【絵描き】達の日常。
「独自世界」を作り出すために崩してみたり歪めてみたり試行錯誤の末にやりすぎで変な癖がつき 基本のデッサン力が狂ってくるというコントみたいな現象が起こる。
そして、ほぼ全滅していく。
それが嘘みたいな小説よりリアル。
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◆ツブシ。

そして【絵描き】達しかしらない、もっとリアルな話をすると女の【絵描き】は結婚という技で、夫と言う名のパトロンを得て 【絵画教室】の講師という次の道へ多くがトラバーユ。
男の【絵描き】は大半は日曜画家へとチェインジするが一部の諦められない売れない画家は 【絵画教室】の生徒さん達に個展の手伝いや「お買い得価格」という言葉を使って小さな作品を 買ってもらって食いつなぐ。
「お笑い芸人」は、リアルな知人がいないので詳しくは分からないが【お笑い教室】が在るわけでもなし。
この点は、他の分野と違いリアル「浅草キッド」
「お笑い芸人」の敗戦は キャリアを引き継ぐ事無く「ツブシ」が効かない遅い新人としてフルタイム就職。
リアル「他にあてなき、他に道なき」
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◆恵まれている2人なのに。

【ウメ】さんのように才能がある商売ベタな『ネジ屋』は、どんな業界にも存在している。
彼らの彼女達の パターンを考察していると、ある日、突然何かのキッカケでその才能が一気に「スパーク」する事がある。
それは、【鳥居みゆき】さんのように「スパーク」はネットの小さな小さな番組かもしれないが 【鳥居みゆき】さんは、一時的なブームでなく【硬いコアなファン】をガッチリ掴み、物販の数字や動員数で証明を し続けている。
それは何故か?
それは、彼女しかもっていない世界があるからだ。
【硬いコアなファン】にとって 【鳥居みゆき】さんが唯一絶対で替えが効かない。
【鳥居みゆき】さんのような今まで無かった分野を自ら作り出した「独自世界」というのは殆どの芸人さんはもちえない。おそらく、 それを指して才能と言うのだろうと思う。
そしてもう一方の「人気者」になれていない【ウメ】という奇才芸人は【鳥居みゆき】に負けず劣らぬ彼女しか描けぬ世界観という才能を持った恵まれた素材だ。プレゼンベタで商売ベタだけども。
自分は芸人さんじゃないから分からないけど、おそらく「芸人」という職を行うものにとって 【鳥居みゆき】さんのような自らのパーソナリティから作り出す「独自世界」に多くのファンが 熱狂し支持しているサマは理想なのだろう。
DVDや書籍を出せば必ず、2万ほど一気に捌ける物販力にキャパ500程の単独ならチケットは数分で売切るコアなファンたちの存在。おそらく「ラーメンズ」のパターンができる唯一の女芸人。それが【鳥居みゆき】
そう【鳥居みゆき】と同世代でつい数年まで同じ小さなライブに出てた多くの同業ライバル達にとっては理想のカタチであり悔しさと共に羨望なはずだ。
特に自分は同業者でもなく【鳥居みゆき】さんや【ウメ】さんのコアなファンでもないから、 二人が持つアーティスティックな才能と言うのを贔屓目なしで考察できるので 同じ分野の同業者さんたちと比べて二人が抜けているのがヨクわかる。
一度目のチャンスを一発でガッチリ掴んだ【鳥居みゆき】さんと2007年のR-1決勝進出というキッカケを得ながら「スパーク」し損ねた【ウメ】さんとを考察すると
卓越した『独自世界』の構成という同じような恵まれた才能がある二人だけども決定的な『2点の違い』が出てきた。それを考察してみる。
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◆二人の違いその(01)【スタッフ力】

(01)【鳥居みゆき】さんは、自分が本当にやりたい『1人コント』や『役者』等と言う自己表現を行える環境を 構築する為に【TV演芸】用のマサコを生み出した。
--> そこには事務所やスタッフをはじめ、彼女をサポートした様々なチカラが存在する。
当然、そこには事務所のサンミュージックのスタッフ、夕刊読売の記者のように彼女の才能を見出そうとしてくれる外部の人達、 元芸人の旦那を含め多くのアドバイザーが彼女の才能を開花させる過程で絡んでいるのは間違いない。
もちろん、その良いスタッフ達に恵まれ上手く共鳴しているのは【鳥居みゆき】の才能のヒトツだ。
そして、彼女をサポートする彼らの『スタッフ力』無しでは【鳥居みゆき】は今の【ウメ】さんと同じ高度な技術を持つ単なる 【ネジ屋】であり続けているハズだ。
ただ、これをもって【鳥居みゆき】のコントや表現活動を彼女のモノで無いとする論を たまにネットのブログなどでも見かけるのだが本当に笑ってしまう。
これを証明するのに【村上隆】氏の『Miss Ko2』は必要ない。 【安藤忠雄】氏はコンクリをシャベルで練らないし塗装や配線もしない。では彼は何か?
コンセプターであり最終決定者だ。
【小室哲哉】氏はサンプリングも作らないし 【ラファエロ】でさえ何から何までヒトリで行うわけではない。創作活動でそれを否定すのはこういう分野を知らない無知か、 芸術作品など現代に存在しないと言う廃頽論者だ。
それはどんな芸人も作家やスタッフと共に照明や音響を含めて練る。しかし工程から仕上げに至るまでの決定事項、細部の調整は やはり決定者であるアーティストが行うのであり、それは【鳥居みゆき】のコントにある統一された世界観が証明している。
もし、彼女が作品に対して若いアイドル歌手みたいな【スタッフ】の操り人形なら絶対にこのような統一感は生まれない。 これは彼女が自分の作品に対する決定権を持っている証拠だ。
「ごっつええ感じ」は【小松】さんや【高須】さんなどのブレーンやスタッフがいなければ成立はしなかっただろうが もちろん「ごっつ」は彼らの作品でない。
では彼らは?
彼らは最終決定権を持たない優秀な「スタッフ」である。
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◆二人の【スタッフ力】検証

そして、いま振り返って考えてみると2007年のR-1決勝進出というキカッケを掴んだ【ウメ】さんが当時、決定的に欠如していたのは、商品である【ウメ】という素材をどうメディアに演出していくかという戦略を練る【スタッフ力】だ。
【鳥居みゆき】さんが波に乗る過程で彼女を中心としたサンミュ【スタッフ】総出で行った徹底したイメージ戦略と比べれば、 【ウメ】さんのパドリングをすべきである所属事務所のマネジメント側は当時【ウメ】さんに対して明確な方向性を付けなかったので 「ボヤー」とした輪郭を残すだけだった気がする。
【鳥居みゆき】さんはTV演芸でのイメージを固定したから製作側は風を変えたいときやアクセント付けだとか 番組を掻き混ぜたいときなども【鳥居みゆき】にオファーする理由を見出せたけども 【ウメ】さんのブレーン側は「ポジショニング」の設定を曖昧にしたことで、 制作側も特に【ウメ】さんを番組起用する理由付けを無くしたのだ。
それに当時のスケジュールを調べると サンミュ【スタッフ】側は勢いを切らさない戦略としてDVDの販売をすぐに実行しバーターでの露出の維持など 的確な初期戦略を踏んでいる。
【ウメ】さんには【鳥居みゆき】さんと同じく殆どの芸人さんには無い【彼女しか作り出せない独自世界】という売れるための武器は 確実にあるわけだから、他の小さな芸能事務所に所属する芸人さんに比べたら電波媒体への【次のチャンス】を掴む確立は 高いのだろうけども前回と同じように【スタッフ力】が欠如したまま戦略なき進出なら「スパーク」なき終戦なのだと考察できる。
才能のある芸人にあるには本人の力が最重要だけども「人気のある芸人」になるのは 『スタッフ力』なくしては現在ではありえない。これは絶対だ。100%。 これがココ3年近く、この現代芸能を観察してきてわかった結論だ。
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◆二人の違いその(02)【覚悟力】

(02)【鳥居みゆき】さんは、自分が本当にやりたい『1人コント』や『役者』等と言う自己表現を行える環境を 構築する為に 肌を出す【グラビア】や【CM】にも挑戦した。
--> そこには売れる切っ掛けを得る為にどんな嫌な事でもヤッテヤル!という狂気や覚悟が存在する。
個人的に自分が一番【鳥居みゆき】さんを凄いなぁ。と思うのは芸の云々カンヌンより覚悟という【腹のくくりよう】だ。 ギャグラという水着グラビアでエロチックなDVDに関しての記事を読むと、彼女は肌を出すことも嫌だったが売れる切っ掛けとして ヤルなら腹を括ってやってやろうと思った。というニュアンスで答えていた。
そして、彼女がネットを中心としたムーブメントになったのは、このエロチックな「グラビア」と 珠玉の「独りコント」が入ったギャグラというDVD 無しにはありえなかったのだから、【鳥居みゆき】はあの時の選択勝負に勝ったのだ。
この事をオイチャンに置き換えて、もし自分が「女芸人」で肌を出すのも嫌いな性格だとして 果たしてあのエロありのDVDを撮る根性があるかと考えると、もちろん頭ではどんなチャンスでもモノにはしたいと 思うだろうけども。
ヤッパリ今までの芸能界にない、 大物芸人の目でもあの芸風に徹する【鳥居みゆき】の胆力、売れる切っ掛け作りの為ならエログラビアを撮る 「覚悟力」はハンパナイ。
もし【ウメ】さんがそういう選択肢が前に現れた時に「覚悟力」を発揮できるだろうか?
【ウメ】さんにスクール水着でシャワーを浴びるエログラビアと紙コントの融合を狙った【紙グラ】DVDのオファーが来るかは わからないけども、売れる切っ掛けの為にそれをチョイスする「覚悟力」は果たしてあるのだろうか。
基本的にオイチャンは【吉本芸人】大好きっ子なので女芸人では「森三中」さんや「ハリセンボン」さんとか好きなだけど 売れてる彼女たちが笑いの為にケツを出したり、プールのロケでわざと水着を外したりする芸人根性もやっぱり ハンパナイ「覚悟力」だ。
視聴者は、彼女たち【吉本芸人】の全身を使った「覚悟力」を感じ取って笑いと共に【吉本芸人】スゲーなと感動する。
まぁ実は、【ウメ】さんも元【吉本芸人】で「もう中学生」さんと同期の東京NSC7期(2001年組)なのだけども。
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◆浅草キッド

昔は芸人でもないのにコノ曲を聴くと、
自然に涙が出てきた記憶があるのだけど今は 懐かしいだけで、そこまで心が揺すぶられない。
つまり現在、自分自身は何も勝負をしていない。ってことなんだろうなぁ。 リアルマンなのかツマラナイ人なのか。
その両方なんだろう。
この歌で涙を流せる人は逆に幸せだと思う。
今のオイチャンのように全てを失くしても特にそれ程ダメージが無いだろう人生で 「覚悟力」が欠如しているというのはある意味、滑稽で笑えるから泣けないのかなぁ。
嗚呼、また明日から何も変わらないルーチンが始まるよ。
ドラクエも終わっちゃたし。この秋からは【農民】へのカード集めもはじめませう。
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