2009_03_07_[SAT]

Series
【戸川純】との時代
戸川純×月乃光司/
ハート温泉の書籍に付いてくるCDに収録されている2008年7月10日「The 30th Anniversary of NYLON100%」での
『パンク蛹化の女』をプレイヤーに入れて出かけるときも聞いている。【戸川純】の歌声は相変わらずカッコイイのであった。
ファンは必ず聴くよろし。
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戸川純×月乃光司/ハート温泉

なんか隔週で聞いていた【月乃光司】さんと【戸川純】さんの
『ハート温泉』が終わってしまってなんかちょっとさびしいなぁ。
とか思いながら大学生の頃に良く聞いてた【純ちゃん】≪年上なのになぜか当時から彼女の音楽とか好きな子とか皆【純ちゃん】だった≫
のCDなどを聞きいていたら当時の事が走馬灯のように蘇ってくる。
オイチャンは特別にニューウエーブ≪言葉自体がもう懐かしい≫が好きだったわけでもなく
【純ちゃん】をメチャクチャ好きな子がいたのでその流れで当時カセットテープを貸してもらって聞いたのがはじめだった。
オイチャン、中学生のときに【尾崎豊】さんが好きなるといういわばあの時代の麻疹的な症状が緩和した後は雑多に聞きながら『スラッシュメタル』に嵌って
【メタリカ】や【メガデス】なんてメジャーはもちろん【ソドム】とかのようなライブハウスに半分ほどしか埋まらないバンドでも近畿圏に来日したら
ウドーでチケット取ってオールスタンディングライブに行ったり、
ギターで一日中タブ符と睨めっこしながらアホみたいに早弾き練習してた人≪嘘みたいだけど当時は多数存在した。≫だったから
正直、「パンクとかは中学生や高校生で卒業するだろう。ふつう。」みたいな今考えれば【シュラッシュメタル】なオマエが言うな的な感情を抱いていたが、
【純ちゃん】を好きだった友人の女の子がバイトで金を貯めては東京にライブを見に行ったりと
嵌り具合が尋常でなかったのでその原因はなんのだろうという興味もあいまって『ゲルニカ』『ヤプーズ』を聞き始めた。
その【戸川純】さんを好きな女の子とはバイトを変えてから自然消滅的に付き合いもなくなったんだけど結構沢山の音源が残り
そしてオイチャンは既にアーティスト【戸川純】の持つ魔力に伝染していたのであった。

【尾崎豊】とかもそうやったけど、
【戸川純】にも漂うよく似た不器用ながらも何事にもガップリ四つな
【人生全力疾走感】が一定の層を惹きつけるんやろうな。
あと当時【戸川純】に嵌るであろうタイプ、または嵌ってたようなタイプの女は服装でスグ見抜けたな。
懐かしい。

オイチャンが【戸川純】さんを聞き始めたのが90年代だから80年代を殆ど知らない言わば第2世代で、既に
【ナイロン100%】を基点とするパンク/ニューウエーブ
は燃え尽きたあとの残り火がチョロチョロしているレベルだった。
そういう新しもの好きなワカモノ層は、【ピチカート・ファイヴ】などのいわゆる『渋谷系』に移行していて
当時のソレ系の雑誌には、「ニューウエーブとは何だったのか?」的な考察記事が出現しその記事にはその時代を代表するアーティストとして
必ず【戸川純】さんは出てる。という具合に完全に周回遅れ感が漂っていた。
オイチャンは基本的に文系な人なのでそういったソレ系の雑誌で後追いしながら【純ちゃん】ってスゲーな。とか思いながら
「パンク蛹化の女」「肉屋のように」とかを聞いてた人なので。体感していないにもかかわらず
『NYLON100% 80年代渋谷発ポップ・カルチャーの源流』を読むと
物凄く懐かしく感じた事が面白かった。

【戸川純】がフェードアウトしていく90年代の終わりから【椎名林檎】がメジャーシーンに現れて【戸川純】を知らない世代の子とかが嵌っていくのを見た時は面白かったやろ?
【戸川純】的なアプローチ
確かに【椎名林檎】さんを見たときは【ピチカート・ファイヴ】を知っている世代が【capsule】を見たときみたいなニヤケ顔にはなったけどね。
だけどオイチャンは【椎名林檎】さんのアーティストとしてのトータルコンセプトが【戸川純】さんのパクリだとか言う
陳腐な論にも違和感があって≪誰もが先人の姿を見て育つのだから≫
どんなアーティストでも自分のカタチを作る時には
様々な影響を受け続けるわけで
【椎名林檎】さんなどのアプローチやコンセプトが似通っているアーティストさん本人やその制作スタッフ側が
【戸川純】的な影響を否定するなら
それは逆に先人である【戸川純】の凄さが証明されている。という事だと思ってみてた。
つまり、それが真実なら【戸川純】的なトータルコンセプト形態が音楽シーンの中で無意識レベルで普遍化したと言う事を意味するわけだから。
≪異化を常態化させた。≫
【戸川純】的なアプローチやコンセプトから発展させているアーティストさんがいたり、そういう匂いがするアーティストさんを見つけたときなんかは
オイチャンは嬉しいけどね。
そういう類似性に関して【戸川純】さんもニナ・ハーゲンの影響について同じような事を言われた時期がありソレについて当時を振り返っているインタビュー記事を書籍【ナイロン100パーセント】から引用してみる。
---当時はニナ・ハーゲンを引き合いに出されていましたよね。
ニナ・ハーゲンを聴く前からファルセットと地声だったんですよ。よくニナ・ハーゲン好き?って聞かれるから、
一応聴いてみようと思って聴いたわけ。
そしたら「これは似てると言われるな、でもうますぎる」と思って、こういう声でやっているのは私だけだと思ってたんだけど、
「そりゃ世界は広いからドイツにもいてもおかしくないよな」って。
実際聴いて好きになったから、それからはあえて影響を受けてるって自分から言おうと思ったんですよ。
実際は影響ではないんだけど、影響ではありませんなんていったら「んなこと言っちゃって」とか、言われちゃうでしょ?
どうせ。
だから影響受けましたと言ったほうが頭いいかなと思って、ニナ・ハーゲンが好きですって自分から言ってた。
≪
【ナイロン100パーセント】 :
【証言】戸川純--ゲルニカ時代のこと≫
メンバーは知っていたけど【戸川純】さん自身はニナ・ハーゲンを知らないであの歌唱法をしていたわけでこんな部分からも【戸川純】さんの天才的な素質を見出せるわけで。
今は逆に誰それが【戸川純】的だといわれ、似たコンセプトや匂いがするアーティストが引き合いに出され面白いなぁ。と。
全てにおいて先人に敬意を払うのはいいとは思うし必要な行為ではあるとも思うけど、
なんか誰々のコンセプトをパクってるとか言って対象者を全否定しているの見かけると「そういうのは違うんじゃね?」と思うよね。
工業製品じゃないんだから。

まぁ、確かに誰にも影響を受けてないアーティストを探してくるのはラスコー洞窟までさかのぼらな見つからんやろうな。
そんな感じで【戸川純】を聞いっとたわけか。

ただ、オイチャンが聞き始めた90年代の頃は『ゲルニカ』『ヤプーズ』というよりも【戸川純】さん自身にも色々な事が起こり、
2000年に入ってからは新譜もコンスタントに出るという事も無く
名実ともにアンダーグランドに潜り、昔の知り合いのようにバイトで金をためて関東に遠征に行くほどのコアなファン層では無いオイチャンは生【純ちゃん】を
近畿圏に来なくなった2006年以降に見る機会も無くなり。

そしてこのままかと思ってたら、なぜか2007年ごろから動画サイトで【戸川純】の動画がフィーチャーされはじめ再び地味に蘇るわけやな。
【戸川純】第三世代ファンとは?

2007年ごろから動画サイトから入った【戸川純】第三世代ファンの人達の層を観察していると第三世代ファンにも
(01)単純に【戸川純】をボーカロイド素材としての秀逸性から夢中になっているタイプ。
(02)【戸川純】に現在に続くある界隈のオリジナルな音楽的源流を見出すタイプ。
(03)文学と言われたアーティスト【戸川純】の生き様を含めた人間的魅力を感じるタイプ
等々いくつかのタイプに分かれている事に気づいた。
その様々なタイプから構成される第三世代ファンの層のうちでオイチャンが特に面白いと思った現象が
2001年ごろの【椎名林檎】さん全盛期を知らない若い人も出てきて、今まで【椎名林檎】さんが獲得していたタイプの人達が20年も前の【戸川純】さんの
動画を見て嵌って言っているというタイプの層が確認できる事
過去の動画がその層を取り込んでいるのだ。まさに先祖がえり。
【戸川純】第三世代ファンの人達というのは、おそらく生【純ちゃん】のライブはもちろんTVでさえも見た事が無い人がいるかも。なのに
【戸川純】ワールドに嵌る若い人の出現と言う現象がとても興味深いなぁ。と。
なぜ沢山いる。または過去にいたパンク/ニューウエーブのアーティストにおいて【戸川純】さんだけが時代をまたにかけて再び斗出するのか?
そのあたりを観察していかねば。とかいいながら【純ちゃん】のネットラジオも終わってしまったからなぁ。やっぱりラジオなんかで声を聞けるのはいいね。
早く再開してほしいな。

【戸川純】は今年で芸暦30周年。
ファンの第一世代は40代から50近くだろうし、御主人様のような90年代から入っている第二世代は30代。
動画がら入った生の【戸川純】を知らない第三世代は10代から20代か。
まぁ今後もそれほど急激に増えるとは思えへんけど動画サイトなどで【戸川純】に触れたある一定の層が
【戸川純】第三世代ファンとしてアーティスト【戸川純】を支えていくのは確かに興味深いな。
【戸川純】はいつも生き様が全力疾走で【戸川純】本人が思う以上にアーティストとしての存在価値はデカイからな。
このまま40周年、50周年といって欲しいわ。
続ける事は素敵やん。
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