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2008-09-21

ニコライ・セミョーノビッチ レスコーフ『魅せられた旅人』 Nikolai Leskov - The Enchanted Wanderer (Очарованный странник).



2008_09_21_[SUN]

今週は19世紀のロシア人ジャーナリストとしても有名な作家、 ニコライ・セミョーノビッチ レスコーフЛесков, Николай Семёнович, Nikolai Semyonovich Leskov≫(16 February 1831 - 5 March 1895)の【魅せられた旅人】を読んだ。

とか言いながら名前は【鼻】で有名な≪とある女優が雑誌でベタ褒めしてた≫ショスタコーヴィチが曲を書いているオペラの【ムツェンスク郡のマクベス夫人】の原作者として聞いた事があったが著作を読むのは初めて≪もちろん翻訳モノだけど≫のレスコーフ。

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毎回毎回、『あーこんな面白い作品を読んでいなかったのか!』と自分の無知と蒙昧ぶりを再認識させてくれるロシア文学。≪翻訳版≫かといって語り合えるロシア文学好きも皆無でその【気づき】は生活になんの利得も無いが。

逆にこんな阪神がヤバイ時期にそんな話題をオイチャンのリアルな世界ですれば【空気が読めないヤツ】OR【頭が狂ったもの】という烙印を押される。図書館で借りてきた【ロシア文学集】を知人に見られぬようエロ本よりも厳重に表紙を隠す。 日本の関西におけるオイチャンのいる風景では、そういうポジションがロシア文学。

大人の読み物【ロシア文学】スゲー。というか日本の文学作品と違って子供が読んで面白いと感じるのは難しいと思うんだけど≪面白いと思ってもそこは年齢によって軸ズレが起こると思うのだが。≫そのあたりはどうロシア文学界隈では消化されているのか?これは【ロシア文学】初心者として今後の考察テーマに。

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レスコーフの背景を少しみてみると役人だった父親が神学校を卒業したこともありその後の彼の思考や【魅せられた旅人】を含めた彼の作品に深く影響を与えているようだ。

父親が早くに亡くなり15歳から裁判所で勤めはじめ、16歳で役所に勤めながら大学の聴講生として農業や刑法、国家法などの法学、また解剖学なども学ぶ。 その後、26歳のときに公務員を辞めて叔父さんのところでロシアの中央部から東部のサラトフ≪ちなみにサラトフにはニコライ・チェルヌイシェフスキーの生家があるようだ。≫までの農民移住サポートの仕事する。その時に叔父宛に送った報告書が雑誌で評価をうけてルポルタージュを書き始める。30歳のときにペテルブルクに移り31歳のときに暗い農村の現状を描いた【消え去った事業】という初の小説を発表し作家生活をスタートさせていくという流れ。

【魅せられた旅人】はレスコーフが42歳の1873年発表。

魅せられた旅人 -- レスコーフ

≪紹介≫19世紀ロシア作家中,レスコーフ(1831‐1895)ほどみごとにあらゆる階層のロシア民衆を描きえた人はいない.本書は彼の創作力がもっとも旺盛だった70年代前半の傑作で,主人公自らに幼時から老年にいたるまでの放浪の「悲喜劇」を語らせつつ,その矛盾にみちた複雑な個性をあざやかに浮彫りにする.巻末にゴーリキイ「レスコーフ論」を付す.

めくるめく展開で四方八方巡るべく旅を進めてという物語。 ≪≫ 序盤で語りが入り回想で物語を紡いでいく。

農奴として生まれた 主人公が荷馬車に乗った 老いた修道士にいたずらで鞭を当てたところ車輪の下に転がって死んでしまう。 そして、その夜に修道士が夢に出てきてお告げを告げる。

では、おまえが約束された子だと知っているのか?

なんだって?

つまり、神様に約束してあるってことだ。

誰が約束したんだ?

お前のお母さんだよ。

それなら本人が話に来てくれればいいのに。でなければあんたが自分で思いついたのかもしれないじゃないか!

いや、わしが思いついたわけじゃない。だけどお前のお母さんは来れないんだよ。

どうして?

つまりな、こっちではお前達の地上とは違う。こっちではみんなが話したり歩いたりできるわけじゃない。 できるのはそういう能力を授かった者だけなんだ。だけど、もしお前がそれを証明してほしいなら【小さな きざし】を与えてやってもいい。

欲しい。だけどどんな【小さなきざし】なの?

それはな、お前は何度も死に掛けるが一度も死なないですむ。いよいよ本当に死ぬときが来るまでは。 その時にお前はお母さんとの約束を思い出して修道院に入るんだよ。

面白い。わかった。それを待つことにする。


毛色は全く違うが、能楽の【敦盛】なんかも日本的な情緒感の中であの世と今生を回想で行き来する。 物語の構成自体は古今東西よくあるパターン≪演劇では≫で最後に始点に帰結して終わる。

ただ、もちろん【侘びサビ】ではなく【オペレッタ調】を好む国民性がレスコーフの【魅せられた旅人】を 能楽の【敦盛】と全く違う活劇風味に仕上げて読み手に違う印象を与えるが根底に見え隠れする背骨は同じにおいのする作品だ。

【伯爵家馬番】->【鳩を食った猫を懲らしめる】->【鞭打ちの罰】->【伯爵家を脱走】->【脱走先でベビーシッターを2年】-> 【子供の母親と愛人と共に脱走】->【脱走先で馬を賭け勝負し中国人を殺す】->【ダッタン人に助けてもらい脱走】-> 【そのダッタン人に逃亡防止手術を足裏に施される】->【くるぶし走行を会得する】->【女を与えられて子供を作り医者として10年間】-> 【花火を使いダッタン人から脱走】->そして怒涛の後半へという

展開のオモシロさと人間の描き方がロシア的≪少なくても日本的ではない≫な感じが強くする作品だった。

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